作業工程は豆本だけで5つ。それが800セット、結構な量でした。
1 4ページ分のサイズの本書を切り、四つ折りする。
2 折ったものを2枚合わせて、綴じるために背に目引きを入れ、糸で綴じる。
3 見返し2枚1セットを切り出し折っていく。
4 寒冷紗で本書と見返し1セットを、のりボンドでひとつにする。
5 表紙を3パターン作成、4と貼り合わせる。
そこに豆本を並べる台紙を作る工程が入りますが、作れるのか?で、もう頭の中はいっぱい。ゴールなどは見えず、うっすらと走るコースが見えるくらいのスタートでした。
工程自体は単純ですが、気が遠くなるほど切ったり折ったりする繰り返しの日々。でも、回数重ねるごとに身体に染み込んでいくような感覚がありました。
できたかなと言えるまでになったのは、締め切り最終日の午後でした。でも工房について提出する時には並べた豆本がバラバラになってしまって、陳列するのは難しいため、台紙を補強する時間を余分にいただいてしまいました。
最後までバタバタとして、ただ提出したということだけの作品だったなと、設置会場のお手伝いをしながら、他の作品のすばらしさに、ただただ、反省していました。
でも、今更なのですが、身体に染み込ませた作業でわかったことがありました。
豆本は、普段見かける本のつくり方と変わりがなく、本は100年以上前からその作りは変わらない。出来上がった時点で、変わりようもないくらい完成されたものだったのですね。
本は、人から人へ伝えられ、どの世代にも胸を打つ物語として生き続け、一冊は、人から人へ手渡されることで、手にした軌跡が刻まれ、自分だけの物語となっていくのかもしれません。
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