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本と時間のおはなし

「世界を変えた書物」展に行ってきました。かなりの時間を経た、さまざまな方法での装幀本が、これほどたくさん集まっているという機会も珍しく、また撮影OKであるということでも珍しい展示会でした。


展示されている本は、すべて活版印刷です。その前の本というものは、羊皮紙という羊の皮にインクで書かれたものでした。1冊作るのに約1年くらいかかるそうです。活版印刷の良いところは、前時代よりも早く多くの人に伝わるということです。当時の人たちにとっては現在のインターネットと同じくらいの影響力であったかもしれません。



展示されている本を見ると半永久的に保たれるよう作られていることがわかります。簡易的な作りの本が多くを占めている現在ですが、やはり丈夫に作ろうとすると、その製法は展示されている本の時代とほとんど変わりません。


ただ実際は、糊の調合や乾かす時間、季節によっても結果は違ってきます。100冊作るのに100冊同じものが作れるかというと、なかなか難しいものです。


手作業という問題よりも、自分の至らぬ技術によって、微妙に違ってしまったり、作った本の寿命が短くしてしまうこともあります。作ったものがはたして丈夫なものなのか。


作ったとしてもその100年後の姿を見ることはできません。


展示会場で、この目の前にある本は、わたしたちの意識に及ばない時間を持っているのだと、今更ながらに強く思いながら見ておりました。


アップした写真は、会場で一番気になった装幀を撮ってみました。

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