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反省の夏

  • 執筆者の写真: ひぐらし文庫
    ひぐらし文庫
  • 8月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:8月11日

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また反省の夏がきました。


8月1日から8月4日まで第18回製本コンクールの参加、続き、16日まで開催中の「LIBRARY 2025」に出品しています。


毎年、年の始めくらいからそわそわし、6月ごろに以前痛めた右腕の筋があやしくなり。7月初旬には何度目かの失敗に、もうだめかもしれないと白目を剥きぐったり、提出前日になるともう笑うしかなく。それを乗り越えやっとコンクールの作品を提出したら、ほっとする間もなく次の展示にあわせてもう1作。


この数年は2冊作るのに半年以上の期間をこのような周期で動いています。


毎回毎回終わったと同時に無力感で落ち込みます。いつも作品の搬入搬出の帰り道は反省会です。それぞれの会場で周囲の作品に目を奪われ、自分の作品を振り返り、毎回上達もせず、発想のなさにもため息が出ます。



(上手にできるかどうかは別として)目立つようなデザインや製本方法もありますが、自分が製本する本は、本のなかみよりも目立つことがないようにしたいと思っています。だけど、オーラは欲しい。なかみを知らない人にも伝わるのは、なにかしらの凄みが感じられる勢いが必要で、それがなければ興味を持ってもらえないからです。


そのバランスがとても難しい。


紙の本なんて、どれもおなじものでは?と思われるかもしれませんが、技術や材料の組み合わせによって驚くほど表情が変わり、なかみを読もうとする時の印象も変わってきます。


それは自由度の高い手製本だからといわけではなく、制限の多い市場に出回る刷部数の多い本でも同様です。


書店勤務時代から、いつもそのオーラを感じて、読んでみたいかどうか、判断していた経験から、目立たないけど、目を引く、意識を持ってもらえるようなものができたらいいのにと思いながら作っています。


どうしたら、もっとより魅力的な本が作れるのだろうと、これも毎年同じことばかり考えて答えの出ない問いを続けています。



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