ふしぎと 一度もありません。

遅ればせ、あけましておめでとうございます。

今年は、曜日の関係もあり、年始をゆっくりと過ごせた方も多いかと思います。

わたしは、部屋着に羽織るものが欲しくなり、編むかどうか迷っていたところ、手芸店でフリース生地を手にした瞬間、ほわんとしてたまらずに作りたくなりました。

思えば、子どものころから既製服のサイズが合わず、見よう見まねで裁縫や編み物を始め、とりあえずひととおりのものは作れるようにはなりました。ここにポケット欲しいのにとか、自分で欲しいと思うデザインのものが出回っていないとか。必要にかられてのことです。

他の方にそれを話すとあまりないことだと言われます。買って済むならこしたことはありません。いつも買うか作るか秤にかけながら思案します。

ここまで考えていて、急にはっと気がついたのでした。

本を読んでそう思ったことはふしぎと一度もありません。思った以上のものに出会えるってすごいこと。

読むものを自分でつくろうとは考えたこともないけれど、出会った本に感謝の意味も含めて、本格的な改装とはいかないのですが、本に合わせた装飾することはよくしていました。ちょうど裁縫や編み物を覚えたころのこと。

その昔。本は「仮綴じ」という、印刷したままの冊子で売られており、店で製本をして販売されていたようです。

研究者のオーダーする装丁は実用的で何度も手に取るため、簡素のようで丈夫に。大富豪がオーダーすれば宝石を表紙にちりばめた装丁に、と、1冊1冊違う同じ本なのです。

本の歴史をひも解くと、今を感じて深くうなずくことがたくさんあります。